“スタートの春”と言えば、浦和レッズには4月5日(月)に日本を旅立った1人の選手がいます。浦和レッズレディースに所属していたFW若林エリ選手です。2月に25歳の誕生日を迎えたばかりの若林選手はシーズン開幕を迎えるにあたり、人生の大きな決断をしました。それは異国の地へ移り住む事、タイの女子リーグへの移籍でした。
タイは今、トレーニング環境が整備され、少しずつ力を伸ばしている国です。とはいえ、これまで女子サッカーの強豪国であるアメリカやドイツでプレーする選手はいても、アジアでプレーする選手はいませんでした。若林選手はアジア女子サッカー界の開拓者としても期待され、本人も「選手としての練習や試合で見せるのとはまた別に、子供たち相手にサッカー教室でも開けたらな」と出発前に夢を語ってくれました。
選手である限り、勝敗はサッカーの大事な要素です。しかし、若林選手の新天地となるタイには、彼女が子供の頃に感じていた“サッカーを楽しむ”という原点が待っているような気がします。
私も、タイには2008年6月に、日本代表チームの取材で訪れた事があります。最近では、辻仁成さんの恋愛小説『サヨナライツカ』の映画化で活気ある映像を目にする事ができますね。若林選手にはサッカーだけではなく、タイという国の文化や生き方などのライフスタイルにも触れて欲しいなぁ。それはきっと、近い将来、若林選手を支える力になると思うから。
もちろん、心配はつきません。お母様も、彼女がタイへ行く事を決めてからタイ発信のニュースが気になって仕方ないそうです。電話、インターネットなど多くの情報伝達手段がある世の中でも、これからの1年間は、私たちも何度も「エリは元気かな?」と思うのでしょうね。
自分の体とサッカーボールを武器に、若林選手は新しい挑戦を始めました。多くの選手が仕事とサッカーを両立している浦和レッズレディースにはいつも刺激を受けていますが、今回の若林選手の決断には大きな勇気をもらいました。“スタートの春”、皆さんがこの春に始めた事、始めたい事は何ですか?
写真は出発前日の4日(日)に撮影しました!
仲間の開幕戦を観るため、駒場スタジアムを訪れた時の記念写真。
この笑顔を見るのはお預けですね。
有賀久子 |