「心が変われば態度が変わる」
「態度が変われば行動が変わる」
「行動が変われば習慣が変わる」
「習慣が変われば人格が変わる」
「人格が変われば運命が変わる」
「運命が変われば人生が変わる」
プロ野球解説者の野村克也氏の著書『野村ノート』の一部で紹介されている言葉です。 インドのヒンズー教の教えから引用したものだそうです。突然でごめんなさい。 こんにちは、ライターの有賀久子です。
私は6月、後半にレッズプレス!!取材のため、13日間、チームの夏季強化合宿地オーストリアのバード・ラートカースブルクへ出張していました。ルフトハンザドイツ航空を利用し、フランクフルト経由でグラーツ入りしていたので、7月から1週間はドイツに滞在し、今年1月単身でドイツへわたった選手の取材を行いました。
FCR2001デュイスブルク所属の安藤梢選手です。この日はデュイスブルクの始動日だったので、残念ながらボールを使ったメニューはなく、45分間のロードワークのみで終了となりましたが、初日から力強い走りを見せてくれました。そんな安藤選手が私に「ボールを使ったトレーニングを見てもらいたかったなぁ。1対1の練習なんて、練習から公式戦と同じくらいに激しくて、厳しくて、自分を高めるのには本当に良い環境なんです」と嬉しそうに話すんです。言葉や生活、文化の壁を乗り越えて、日々戦っている彼女から、多くの勇気をもらいました。
そこで最初にご紹介した言葉をふと思い出しました。機内で熟読した『野村ノート』にあった言葉。中学、高校とソフトボールに明け暮れていた私はプロ野球観戦も好きで、野村克也さんの野球に対する姿勢にはいつも刺激を受けていましたが、本の冒頭に出てくるこの言葉を読んで、色々と考えました。ドイツの地で会った安藤選手は、浦和レッズレディースで取材してきた以上に強い気持ちをもってプレーしていました。
彼女は「日本でプレーしていた時には、ちょっと出足が遅れて走っても自分の脚ならば間に合うという自信があったけれど、こちらはちょっとでも遅れたら走り負けてしまう。ボールを受ける準備が早くなったと思う」と話してくれました。説明するようですが、日本で彼女が手を抜いてプレーした事は一度もありません。しかし、ドイツへわたり、自分のレベル以上の速さや強さを感じた時、初めて自分の甘さを知ったのですね。まだまだ自分には目指せる場所があることを知った彼女は今、誰よりも強い女性だと思います。
「これでは日本は強くならない」なでしこジャパンのFWだからこそ、日本と他国のサッカー観の違いを感じました。安藤選手は「日本は美しくつなぐことに一生懸命。だけど、ドイツではゴールが入らなくちゃ意味がない、中盤を省略してもゴール前のプレーを多くしている。ゴールに向かう意識が違うのかもしれない。コースが空いたら自分が打つみたいな。自分も日本の中だけにいたら、ゲームを作るためにボールを受けに行ってしまうかも。今は、ゴールを取るための準備に集中しなければプレーが遅れてしまう。点取り屋として結果を残さなければ認めてもらえない。厳しい環境ですよ」と日本と世界1、2を争いドイツとの差を肌で感じていました。
さぁ、安藤選手の仕事はここからです。新シーズンでレギュラーポジションをつかみ、活躍すること。そして、なでしこジャパンとして来年ドイツで開催される女子ワールドカップのピッチに立つこと。日本は日本の良さを活かして、そこにドイツやアメリカで多くの経験を積んだ安藤選手や永里優季選手らが強さとアクセントを加えて……。また、開幕したばかりのU-20女子ワールドカップに出場中の岩渕真奈など新しい刺激を与えてくれる若い力もプラスされるでしょう。こういう過程が取材者として胸が躍る時です。
皆さんも、女子サッカーの扉を一緒に開いてみませんか?
有賀久子
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