瀬戸内の旅 その7
岡山『夢二美術館』から帰京
2011.11.08

熟睡、10時間。岡山の目覚めは素晴らしかった。すっかり体力を取り戻し、朝の岡山城(別名烏城)へ岡電(路面電車)で向かった。

戦国大名宇喜多秀家の居城としても有名な城である。そして、直ぐ近くに『竹久夢二』美術館がある。岡山出身の夢二にまつわる展示品は圧巻だった。知っているようで知らない夢二の生い立ちから始まり、東京を舞台とした新進デザイナーとしての才能が余すことなく展示されている。早稲田実業に進学し、これといって師匠を持たずに独自の世界を造り上げた人生に敬服する。

美人画ばかりでなく、故郷を描いた水彩画に『画家』というより『絵師』の夢二を感じてしまう。ここは腰を据えると1時間以上かかる。美人画と女性編歴で華やかな人生ばかりを想像しがちだが、晩年の夢二は失意の中にいたのではないだろうか。渡米渡欧したが、特に米国での苦戦は、日本では今を時めく竹久夢二にとって大きなショックを与えたのではないだろうか。米国は不況で絵が売れず、在留邦人の世話になったと伝えられていた。新たな分野を目指し、油絵の筆を持った絵が展示されていたが、とても暗い印象だった。当時の夢二の心境が現れていた。

50歳寸前で結核で世を去るのだが、あの渡米がなければ、まだまだ日本国内で新たな舞台を仕掛けていたのではないだろうか。当時、渡米渡欧は「まさに水杯」の時代だった。そう言えば、倉敷大原美術館の児島虎次郎も度々の渡欧によって、命を縮めたのではないだろうか。

今回、4泊5日の旅は、瀬戸内を周りながらの『美術館』の旅だった。名作は今なお作者のオーラが残っている。そのオーラが元気をくれるのではないだろうか。

帰京、21時。いい旅だった。

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